1965年、近所の女の子が落下傘部隊の訓練中の事故で死亡、米軍は裁かれず、女の子の死は闇に葬られる。「米軍がいるかぎり沖縄の平和なんてみせかけ」「沖縄の戦争はまだ終わっていない」と、糸数慶子は「戦争賛美」「殉国美談」のバスガイドをしつつも、心の中で思う。
やがて元ひめゆり学徒隊の女性との出会いが、彼女を平和バスガイドに変身させる。現在参議院議員で、11月19日の沖縄知事選に初挑戦する糸数慶子が、会社の反対を押し切って「平和バスガイド」を始め、逆境の中から少しずつ理解と共感を得ながら、沖縄戦の真実を伝え、やがて政治家になる過程を描いた感動的な読み切りマンガ。
福井美穂子