衝撃の大きさと歴史に残された重要性にくらべて、事実に「不可解」が多い9・11事件。世界が変わったとされる「あのとき」から六年目のいま、事件の真相と、パックス・アメリカーナ、軍産複合体、グローバル資本主義経済の実体・深層を様々な視点から考察。
第1章 9・11じけんの世界史的意味と軍産複合体の影 木村 朗
第2章 なぜ9・11事件の真相究明を求めるのか きくち ゆみ
第3章 「9・11」の考察 成澤宗男
第4章 9・11事件と平和学 戸田 清
第5章 グリフィンの「9・11」をめぐる考察方法 延原時行
第6章 「反テロ戦争」論の現在 板垣雄三
第7章 つくられる戦争構造に抗して 本山美彦
9・11事件を世界の人々は一体どのように受け止めたのか・・本書は9・11事件の真相をめぐる疑問点・矛盾点とは何かを明らかにすると同時に、戦争報道と情報操作のあり方、反テロ戦争の本質的意味とその実態・具体的展開、軍産複合体と戦争構造・戦争プロパガンダとの関係、といった様々な問題を多角的な観点から分析・考察。本書で各執筆者によって明らかにされた諸事実や論点は、9・11事件の今後の研究や真相究明のための重要な第一歩となる本ではないだろうか。また、日本と世界が現在直面している平和と民主主義の危機からの根本的な転換となる何らかの手助けとなるであろう。
木村 朗 編